グリコン アイディア・ワークショップ

“グリコン”ってナニ?

 グリーン・コンシューマー(Green-Consumer)の略で、環境や健康を考えて買い物をしたり活動をしたりする人のことを言います。

 生活文化学講座では、グリコンになるための新しいアイディアを出し合う ワークショップ を行いました。その中で出されたアイディアの中から、ユニークなものをいくつかご紹介します。

グリコン アイディア・ワークショップ 2(2012年11月)

【難易度】レベル1:簡単 ~レベル3:難しい
【環境保全効果】★:効果が低い ~★★★:効果が高い

アイディア どのように実行するか?
フリーマーケット
(レベル2/★★★)
地域の中で、小規模なフリーマーケットを行う。小・中学生の力を利用し、近所の公園やアパートの集会室等で行う。回覧板や広報で広める。強制的な参加を求めるのではなく、地域の交流行事として参加できる場にする。小規模なフリーマーケットを定期的に行うことで、ゴミは減ると思うし、地域の人とも仲良くなれると思う。
エコバックをもってきたらスタンプをつけ、たまったら商品と交換
(レベル3/★★)
スーパーなどでエコバックを持参したらポイントがたまることを、ポスターなどを提示して伝える。
まんが・雑誌は回し読み
(レベル2/★)
友人間で誰がどの雑誌を買うか決めて回し読みする。
着れなくなった子ども服を必要な人にゆずる
(レベル1/★)
スーパーの前など人がよく集まる所に着られなくなった服を回収するBOXをつくり、必要な人は勝手に持ち帰れるようにする。
地域の人びとでごみ拾い
(レベル1/★★)
地域の人々でのごみ広い活動のアイディアを回覧板に掲示したり、街中にポスターを貼ったり、インターネットの市町村等のホームページに案内を出す。その地域で行った効果を全国の人に知ってもらい、その活動が広まるようにこまめに情報を流す。
喫茶店やカフェでタンブラー持参OK
(レベル1/★★)
もうすでにその制度をやっているスタバやタリーズなどが主体となって、他の大手カフェチェーンなどに呼びかけをしたり、客に宣伝する(環境保護になることもアピールする)。スタバやタリーズでは専門のタンブラーやマグカップしかダメだが、それを取り払ったりすればもう少し普及のスピードは向上させることができる。
環境に優しいと言われる品を買う
(レベル1/★)
twitterを使って「環境に優しいと言われる品を買おう」と発言して、リツイートしてもらう。
マイ箸
(レベル2/★)
学祭や地域のお祭りを開くときにはマイ箸をもつように事前に伝える。
生ゴミの再利用
(レベル2/★★★)
生ゴミの再利用で野菜の皮とかも料理に活用する方法(レシピ)をあまり聞いたことがないから、家庭に広めるために回覧板に入れて回したり、地域のホームページとかにも載せたり、お店の売り場の前で無料配布したらいいと思う。
デポジット制
(レベル2/★★)
デポジット制を企業と政府が協力して義務付けて、スーパーなどで売っている牛乳パックやビンやビンなどがデポジット制になれば、地域社会に普及するし、効果も期待できると思う。
地元の野菜を買う
(レベル2/★)
地元の野菜を買うことを広め、地域で販売できるところを増やし、気軽に買うことのできるようにしたらよいと思う。
みんなで住む
(レベル3/★★★)
大学生の人は一人暮らしが多いけど、ルームシェアできるような物件をもっと増やして、入学の際に進めて行けば「みんなで住む」というのはできると思うし、広まると思う。
油分のついた皿は紙でふきとる
(レベル1/★★★)
油のついた皿をふいてから洗うのを普及させるには、スーパーで袋に商品を入れる台に、不要になった紙を使いやすく切って束にしておいてとりやすくしておけば、広まりやすいと思う。
レジ袋有料化
(レベル1/★★★)
レジ袋の有料化は結構強引にやっても大丈夫だと思う。奈良ではマイバック持参で2円引きだけど、有料化の方が効果があると思う。
エコマークのついた商品を買う
(レベル1/★★★)
エコマークのついた商品を消費者が一番見やすく買いやすい場所に置くことで、消費をふやし、エコマークのついた商品を誰もが持っているものとして、みんなの認知を上げる。また、ノートならば再生紙を使った商品などが、値段も安く設定することで、たくさんの人に使ってもらいやすくする。
近距離では車ではなく自転車で移動
(レベル1/★★★)
自転車での移動を促進させるために、自転車で走った距離を車で走るとガソリン代がいくらかかったのか(ガソリン代がいくら節約できたのか)や、消費カロリーを表示するアプリを普及させると良いと思います。
フリーマーケット
(レベル2/★★)
都会でのフリーマーケット促進のために、ショッピングモールでこだわったテーマ(水玉柄の服、ショート丈のブーツなど)を決めて開催したら、若い人にも興味を持ってもらえるようなフリーマーケットになるではないかと、と思います。

グリコン アイディア・ワークショップ 1(2008年5月)

【難易度】レベル1:簡単 ~レベル3:難しい
【環境保全効果】★:効果が低い ~★★★:効果が高い

アイディア どのように実行するか?
食品トレーの材質等を統一し、回収・リサイクルをしやすくする
(レベル2/★★★)
肉や魚など、食品用のトレーを用いて販売されているものは数多くあるので、徹底していけば、かなりの効果が得られると思われる。
既に行っている自治体もあるが、ゴミ収集時などにまとめて回収を行ったり、スーパーなどに持って行ったらポイントなどがもらえるような仕組みを作ったら良いと思う。
町全体(各家庭、お店など)の夜間照明の使用禁止
(レベル3/★★★)
まずは年に1~2回くらいでも実施日を決めると取り組みやすい。時間も23時~4時など限定する。その日は町全体で就業時間を早めて早く帰宅できるようにし就寝時間を早くすれば、可能だと思う。必然的に店も夜は閉店しても影響は少ないし、必要以上の街灯も要らなくなるなど効果は大きくなっていくはずである。
複数の市民が共同で近隣の農家から野菜などを直接購入する
(レベル2/★★)
各自治体で支援する。家族ぐるみの交流に発展させる。旬の野菜の料理法などを皆で開発するなど。
包装や輸送費を軽減できるし、地産地消にもつながる。農家での農業体験も人気を呼んでいるようなので、食の安全と共に効果的だと思う。
コンセントを抜いておく
(レベル1/★★★)
一般的に一晩中コンセントを抜いていたらどのくらいの電力がセーブできるかを市民に伝えて、それは電気代などの面でも自分たちに関係のあることだから広められると思います。
買い物かごの貸し出し
(レベル2/★★★)
買物客が店の買物かごをそのまま持ち帰り次に店に来る時に返却することにより、スーパー袋を使わないようにする。
その町で協力し合ってカゴを管理し、その貸し出しも簡単にできるようにすれば普及させられると思いました。
ゴミを出す前に重さを計る
(レベル1/★★★)
個人が家でやるのは難しいかもしれないので、自治体が各ゴミ置き場にはかりをおいておけば、ゴミ出しのついでに計る人が増えると思う。それによって個人が反省し、ゴミを減らすらす工夫をし始めて効果的だと思う。
自分の家で野菜を作り、たくさんできたら近所におすそわけする
(レベル3/★★)
各自治体単位でPRする。
袋が要らないし、地域の名産の野菜のアピールにもなる。また、有機農業を促進することにもつながる。
歩道や自転車道を増やし、自動車の利用を減らす
(レベル3/★)
奈良はとても自然が豊かで神社やお寺が多いので、自転車道の整備をして、自転車で回るコースや地図などを作ると利用者が増えるのではないかと思います。
学校での配布プリントを両面印刷&再生紙にする
(レベル1/★★★)
学校で配られるプリントを両面印刷にする。パワーポイントデータをプリントにして配布しない(データ自体を配信)などは高校~大学教育機関では特に実現可能で効果的だと思う。しかし、小・中などの義務教育段階から導入し意識を高めていくことで、地域社会に普及していくのではないか。
買い物袋をデザイナーにデザインしてもらい、持つことがオシャレだと思える様にして普及を進める
(レベル1/★★)
テレビや新聞などで取りあげると、大きな効果が得られると思う。
飲食店にmy箸持参で割り引き
(レベル2/★★★)
●まず自治体から飲食店に指示し、それを行った店には自治体が発行する地域だよりのようなものに広告を掲載してあげる。店はポスターなどを貼って、my箸で割引することをお客に知ってもらう。
●弁当用の箸入れのようなものではなく、持ち運びしやすい布製の箸袋を普及させる。割引もポイント制ではなくその場で受け取れるものにする。コンビニ弁当の箸に応用も。
エコマーク付きの商品を買ったらスーパーのポイントカードが2倍
(レベル1/★★)
チラシに載せたりレジの所に貼り紙をしておいたりすれば、主婦の人たちは実践すると思う。
各家庭の光熱費を算出し、低い家庭を表彰&環境保全につながる商品を授与する
(レベル3/★★★)
各家庭で光熱費を競わせることで、家庭などで色々工夫が産まれ実践するのが楽しくなっていくと思う。まずそういう会があることを広め、参加者を増やせばよい。
ゴミの分別
(レベル2/★★★)
ゴミの分別対策が地域によって差があるので、重視してやっている地方公共団体の情報を基にして、全ての地域が分別に意識を持てるようにする。地域が分別を厳しくすれば住民のゴミの分別に対する意識も自然に高まると思う。
携帯電話の積極的なリサイクル
(レベル1/★★)
携帯電話は金属資源の宝庫なのに、リサイクル率が低い。今では他社の携帯からもアドレス帳だけでなく写真などのデータも移せることをアピールして、リサイクルを促したい。乾電池のように、スーパーなどに改修ボックスを設置するなどして、リサイクルを意識しやすい環境を作る。
リサイクルを夏休みの課題にする
(レベル2/★★)
商店街や公共施設(公民館・図書館等)、学校、お店などに貼り紙を貼る。また、地方テレビでCMを流す。
着なくなった服の無料交換会
(レベル1/★★★)
これを実行することは、環境保全になるだけでなく人々の心の中に自然と「もったいない」という環境への意識が芽生えることにつながると思う。このためには地方公共団体に働きかけるという住民一人一人の自主的な行動が望まれるが、すぐに実行に移すのは難しいだろう。まず、この授業を受けた私たちが実践に移すことが必要ではないだろうか。

授業の感想より

  • 私の兄が大学で環境について学んでいることもあり、私の家は比較的グリーンコンシューマーに貢献していると思います。水筒を必ず持参し、シャワーをなるだけ使わずにお風呂に入ったりしています。人間はいつまでも得をして生きてゆける訳ではないと思うので。そこをみんな割り切って慣れるまで積極的に行動していければいいと思います。
  • 私は下宿をして色々節約などをしているつもりなのですが、けっこう面倒なことがあり、“まあいっか”と投げ出したくなる時があります。けれど、1人1人のやる気が大きな力となって環境を守ることができると分かり、もう少し頑張ってみようと思えました。
  • 社会心理学にはもともと興味があった。一人暮らしをしていると、節約のために電気代やガス代などを気にしていたが、環境のことを意識するともっと色々できるようになると思った。自分のできることは小さくてあまり目に見えないものだけど、それが少しでも環境のためになるということを考えていこうと思った。
  • 今までは、環境に優しいことを分かっていながらも、なかなか実行できずにいたのが現状である。今日の授業の中でグリーンコンシューマーとしてのアイディアを考えていく中で、少しずつ身近にできることからぜひ始めていきたいと感じた。家族や友だちと改めてまた話してみたい。
  • 人間関係文化論で社会的ジレンマについて習ったばかりですが、環境問題とつながっていることには気づきませんでした。確かに、購入時はより安く、ごみを出す時も近場でより簡単にという考えを優先してしまっています。これを機に、自分自身の生活を見直します。
  • 自分の消費生活について、より真剣に考えるチャンスとなりました。他の人の意見も知ることができて自分の生活を反省しました。より環境を意識した生活を送るために、節水・節約全ての点に置いて見直すべきと思いました。
  • 表にしたり意見の整理をしたりすることで、実現可能な行動が何であるか、今すぐできることは何なのかを明確にしていくことができ、効果的な方法であると思った。このような活動を小学校の教育などに導入していくことは、グリコン拡大のためにできることのひとつであると感じた。
  • グリコンになることの大変さを痛感した。グリコンを増やすためには、消費者・自治体・企業が一帯となり取り組まなければ浸透しないのではないだろうか。まず私は「1人くらいいいや」という気持ちをなくすことから始めよう。
  • 環境を守りたいと考えている人は多いけれど、実際に行動に移せている人は少ないと改めて感じました。実際に行動に移しやすいアイディアを皆で考えていくべきだと思いました。グリコンのアイディアでは他の人の考えは自分では全然思いつかなかったものも多く、聞けて良かったです。
  • 最近学祭の「チャリティーくじ」という企画を担当し、1人1人が袋を持参してくれるありがたさを知りました。今回の授業はそのことに関連している気がしたので、とても興味を持てました。これからもっと環境問題に積極的に取り組みたいです。
  • 省エネやリサイクルは面倒なこともあるけれど、実行したら環境に良いだけでなく自分にとっても電気代が安くなるなどプラスになる面があるので考え直したいです。
  • 私は環境のためにというか節約のために、難易度レベル1で効果★くらいのことしかやっていませんでした。それでもこれからも小さいことだけど簡単なことは続けていこうと思います。そして、フリマには積極的に参加したいです。
  • 環境保全効果の高いものは実行するにあたっても難易度が高く、なかなか実行するのが難しいと思った。また、難易度が低くて効果が大きいものもなかなか思いつかなかった。グリーンコンシューマーになるのはそう簡単なことではないと思ったが、今後は環境のことを考えて消費行動をとりたいと思う。
  • 以前から考えていたアイディアを発表できてよかった(携帯電話の積極的なリサイクル)今日考えたアイディアを実際に自治体や企業に発案するには、どうしたらいいのでしょう。
Andos Lab