Ankeさんを招待しました

環境社会心理学のエキスパート

 ドイツのボホム大学より,Anke Bloebaumさんという研究者を招待しました。今回の招聘には,昭和シェル財団環境研究助成金を使わせていただきました。

 Ankeさんは若手の女性の方で,環境社会心理学,特に環境配慮行動としての交通問題の研究をしていらっしゃいます。ボホムでは,地下鉄使用に関しての大がかりな調査をされました。

 今回の日本訪問では,奈良,富士,名古屋に行く予定です。Ankeさんは日本が初めてで,いろいろな和食を楽しんでいます。実はドイツでタイチを習っていたことがあり,正座1時間でもできるそうです(私はできないですが・・・)。

ワークショップのお知らせ

 4月2日に名古屋大学でワークショップを行いました。以下,記録のためにワークショップのお知らせを掲載します。

 この度、ドイツからAnke Bloebaum先生をお迎えして、名古屋大学でワークシ ョップを開催いたします。Bloebaum先生はボホム大学で、環境社会心理学の研究 をされています。今回発表される内容は、ボホム市の地下鉄使用を題材に、環境 配慮行動の観点から実験的に行われた研究です。

 杉浦淳吉先生には、環境教育ゲームとして用いることのできる「説得-納得 ゲー ム」の実演と解説をしていただきます。ご関心のある方は、どうぞご参加下さい。

日時: 2002年4月2日(火) 午後2時~4時半
場所: 名古屋大学文学部会議室(1F)
地図: http://www.nagoya-u.ac.jp/sogo/higasiyama.html
発表者: Anke BLOEBAUM (Ruhr-University-Bochum, Germany)
     杉浦淳吉(愛知教育大学)

 ワークショップの後には、「飛騨」で懇親会も予定しています。ワークショッ プは当日参加で結構ですが、懇親会参加希望の方は、人数確認のため安藤まで メールでご連絡いただけると幸いです。

安藤香織 kaori@cc.nara-wu.ac.jp

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ABSTRACT
1. Travel Mode Choice Behavior Between Ecological Norm-Orientation And Monetary Costs
(BLOEBAUM, Anke, MATTHIES, Ellen, HUNECKE,Marcel & HOEGER, Rainer) Anke BLOEBAUM (Ruhr-University-Bochum, Germany)

Since environmental protection has become a widespread social norm in industrialized countries, environmentally relevant behaviors can be seen as a matter of moral decision making. Accordingly, norm activation theories have successfully been used to explain various ecological behaviors. In this context a model is illustrated, which is targeted to explain the interplay between internal variables (e.g. norms, attitudes) and situational variables (behavioral costs). The methods and results of two field studies are presented to demonstrate how the moral decision model, applied to the specific case of travel mode choice, can be used for the explanation of pro-environmental behavior. On this basis some proposals are made for the design of strategies to promote such behaviors.

2. 環境配慮行動普及のための説得的コミュニケーション:「説得納得ゲーム」 Persuasive communication for the diffusion of environment conscious behavior:A Simulation Game of “Persuasion-Compliance”
杉浦淳吉 SUGIURA Junkichi (愛知教育大学)

要旨 「説得-納得ゲーム」(杉浦,2001)の実演を行います.このゲームは,説 得者と被説得者の二つの役割に別れ,説得者は環境配慮行動を説得し,被説得者 は理由を考えてそれを断る,という相互作用を繰り返すシンプルなものです.説 得者はどうやったら相手を説得できるかを考え,被説得者は説得に納得できたら 行動を約束する署名をします.このゲームは先ごろAnke先生もドイツで実施され ています.そこで今回は,1)参加者に「説得-納得ゲーム」の簡易バージョンを プレイしてもらい, 2)Anke先生にオリジナルの「説得-納得ゲーム」を観察してもらうという2点を 目的とします.  なお,このゲームは開発中ですが,昨年の日本社会心理学会大会および日本心 理学会大会において発表されています.また,Anke先生が実施された英語版イン ストラクションは,安藤香織氏(奈良女子大学)よって翻訳されました.今回の ゲームは日本語で行い,Anke先生にはドイツで実施された様子との違いも含めて 観想を述べてもらう予定です.

引用文献
杉浦淳吉 2001 環境教育ツールとしての「説得-納得ゲーム」の開発と実践.
日本社会心理学会第42回大会発表論文集, Pp.356-357.

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